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終末期医療と医療費の削減(続)

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こちらの記事、参考までに、少し補足説明をしておきます。

終末期医療と医療費の削減【動画つき】

上記記事において、一部、個人的な体験を披露しました。もしかすると、「終末期医療のあり方」について、随分とモノわかりがいいじゃないか。上手く「合わせているだけじゃないか」という感想を持たれたかもしれません。

理由があるんです。

ひと昔まえに、『患者よ、がんと闘うな』という本が出て、随分と話題になりました。手元にある1冊に、「1996年3月30日第1刷」と記されていますので、約20年前のことになります。

タイトルからして、十分、衝撃的なのですが、オビには「手術は無用/抗がん剤治療の90%は無意味/ガン検診は無駄」とあります。原文は、月刊誌・文藝春秋に掲載され、当時、たくさんの人に読まれました。読者投票により「(第57回)文藝春秋読者賞」を受賞しています。

がんと闘う、という言葉にも責任があったように思われます。つまりこれまで、闘いだから手術や抗がん剤が必要だ、と考えられてきたわけですが、そのために過酷な治療が行われ患者が苦しんできた、という構図があります。しかし考えてみれば、がんはからだの一部です。自分のからだと闘うという思想や理念に矛盾はないのでしょうか。徹底的に闘えば闘うほど、自分のからだを痛めつけ、ほろびへの道をあゆむことにはならないでしょうか。

(中略)

肝心なことは、がん治療に多くを望まない、ということのように思われます。がん治療には最低限、症状をとってもらうことを期待しましょう。ほかにメリットがありうるとしても、それはおまけ、なくてもともと、と考えるべきでしょう。またそのように腹をくくったほうが、専門家にすがって無理な治療をされてしまうより、長生きできることも多いものです。要するに、治らないことを素直に認めないと、長生きもできないし、楽にも死ねないわけです。

近藤誠『患者よ、がんと闘うな』文藝春秋

私の場合、「モノわかりのよさ」というのは、こういう文章にふれていたからに他なりません。ちなみに、この本、「トンデモ本」ではありませんので(笑)。著者の近藤さんは医師で、本書刊行時、大学の先生(慶応大学医学部講師)でした。

つまり、『欧米に寝たきり老人はいない』で提言されているようなお話は、「ガンに限定して」ですが、20年前から、確かにあったわけなんです。

反対意見の医師

当時、著者が同業者から、どんな扱いをうけていたかといえば、

じつはこれまで少なくとも三つの出版社が、東京大学、癌研病院などに属する、手術、抗がん剤、がん検診などの権威といわれる専門家たち十人以上に、わたしとの対談企画を持ち込んでいます。ところが、「近藤と対談してもなんのプラスにもならない」「私の立場がなくなる」「私の学者生命を保証してくれますか」などの理由で、ことごとく断られたといいます。これまで誌上に対談相手として現れたのは、わたしの意見に好意的な人ばかりで、わたしが標的としている権威たちは、一人も土俵にあがってきませんでした。

前掲書

といった具合だったわけです。

「終末期医療に対する考え方や常識」を変えるといっても、なかなかいっぺんにというのは、難しそうです。

まとめ

人が死ぬことにかかわるテーマですから、誰にとっても「他人事」ではすまされません。

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