老後のおカネ

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現役世代の負担を増やさない、まさかの手法とは?

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「これから、現役世代の負担は増えるばかりなんですね?」

負担は増すばかり

という絶望的な質問に、「まさかの答え」を用意してくれるのが、

三浦展著『日本の地価が3分の1になる!』光文社新書

「えっ、不動産の本じゃないんですか?」という疑問があるかも(笑)。

問題は、「地価が3分の1」になってしまう原因です。

まずは、絶望状況のおさらいから。

15~64歳の「生産年齢人口」(つまり、働こうと思えば働ける人の人口、あるいは「現役世代」といった意味である)は、2010年には8174万人いたが、2030年には6773万人に減る。20年間で約1400万人、1年間当たり70万人減である。
さらに、2040年には5787万人。10年間で1000万人近く減る。毎年100万人減である。そして2050年の生産年齢人口は5001万人、人口全体の52%しかいなくなる。
このように、2030年からの20年間で2020年の東京オリンピックが終わるやいなや、日本の人口は本格的に減少するのだ。しかもその減少の中身はほとんど生産年齢人口の減少なのである。
それに対して65歳以上の「老年人口」(言い換えれば、主として年金で暮らす人の数)は、2010年は2948万人で、人口全体の23%だったが、30年には3685万人、32%に増え、さらに50年には3768万人、39%に増える。

文中にある「老年人口」を「生産年齢人口」がささえる、というカタチになります。「老年人口」は増える増える一方、「生産年齢人口」は減るばかり。当然、「生産年齢人口」にかかる負担は増加し続けることになります。

著者は、生産年齢人口1人に対する老年人口の割合を「現役世代負担率」と定義づけ、この数値は右肩上がりで上昇していくことを指摘します。2010年に0.36、2050年に0.75といった具合に。よくある「●人の現役で、■人のお年寄りをささえる」という表現を数値化したものです。

この「現役世代負担率」と最も相関関係にあるのが地価である、というのが著者の主張。具体的には、

このまま現役世代負担率が上がり続けた場合、日本全体の地価を2010年から2040年にかけて毎年3.18%、30年で62%押し下げる効果をもつ。つまり、100万円の土地が38万円になる。ほぼ3分の1になるのである。
(この場合の現役世代負担率は、20~64歳に対する65歳以上の割合 。共著者シミュレーションによる。)

これは大変!

ということで、著者の用意した秘策が「定義を変えてしまえ!」というもの。具体的には、老年人口を「75歳から」にする、つまり「74歳まで働く」のがフツーの社会にすれば良いというもの。当然、生産年齢人口は「20歳から74歳」となります(15歳~19歳で、「生産」する人もほとんどいないので、ついでにこっちも変えてしまおうという言い分)。

定義を変えた結果は?

そうすると、生産年齢人口(20~74歳)1人に対する老年人口(75歳以上)の割合は、10年が0.16、30年が0.3、50年が0.4である。0.4人というのは、現状の生産年齢人口(15~64歳)、老年人口(65歳以上)の定義だと2013年の値である。

なんと、負担は全く増えない(笑)。

まるで、手品のような(笑)。

やっぱり、不動産の本(笑)

ちなみに、新定義による現役世代負担率でシミュレーションしなおすと、地価も全く下がらない。ところによっては、値上がりするケースも。やっぱり、「不動産の本」だったんですね(笑)。少なくとも、不動産業界、サラリーマン大家さんと称する投資家などは、著者の考えに、全面的に賛成するに違いありません(笑)。

まとめ

著者の主張どおり、「75歳まで働くのがフツーの世界」は確実にやってくると思います。政府もそう考えていると思います。根拠として著者は、大臣のテレビでの発言、人口問題研究所の人口推計に「75歳以上」という分類が加わった、などを上げています。そんな細かい事例を挙げなくても、悪評高き後期高齢者の年齢区分は、「75歳から」となっているではありませんか(笑)。

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