老後のおカネ

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洗脳?医療費を削減するには、そこまでやるか(笑)

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話題の本についてのお話です。

『欧米に寝たきり老人はいない』宮本顕二・宮本礼子著 中央公論新社

テーマは、終末期医療について。ヘビーなテーマにもかかわらず、医師ご夫妻によるわかりやすい記述、体験ルポ、医療・介護関係者ほか一般の人たちのコメントも多数掲載されており、フツーの医学書にはない読みごたえがあります。

自分自身や家族をはじめとする人たちの終末期医療について、考えずにすむ人はいませんので、誰にとっても参考になる良書です。私の場合、すでに家族の「終末期」は体験済みで、こんな本があれば、参考になっただろうと思います。とくに、医師からは決してアドバイスがもらえない、家族としての「考え方」や「心の準備」について。

もう少し、掘り下げて考えてみます。

欧米に寝たきり老人はいない

まず、タイトルについて

タイトル「欧米に寝たきり老人はいない」という言語表現が反語的に伝えたいメッセージは、いうまでもなく「日本には寝たきり老人がたくさんいるんですよ」ということに他なりません。

つまり、本書が伝えたい趣旨をざっくりまとめると、「日本には、欧米では行われることのない終末期の治療によって、不自然なカタチの延命措置がなされ、結果として寝たきり状態となった人がたくさんいます。こういうあり方は、決して良いとはいえません。みんなで、考えを改めていこうではありませんか。」ということです。

延命措置が行われる背景について、著者のひとり・宮本礼子さんは本文にこう書いています。

日本では、延命治療を行わずに看取りをする病院がきまめて少ないのが現状です。その理由の1つに、診療報酬の問題があります。民間病院も、国・公立病院も経営を考えなくてはならないからです。中心静脈栄養や人口呼吸器装着を行うと診療報酬が高くなります。急性期病院では在院日数が長くなると診療報酬が減るために、胃ろうを造って早期に退院させます。そのため、不要であっても医師は延命措置を行ってしまいます。

終末期医療に対する「常識」が変われば、医療費は大幅に削減可能です

ちなみに、1年間の死亡者について死亡前1ヶ月にかかった医療費を年間の週末医療費とした場合、約9000億円となります(平成14年度)。ですから、不自然な延命措置が行われなくなると、医療費が大きくカット出来ます。

逆に、医療業界からすれば大きな収入源を失うわけで、並々ならぬ反発が予想されます。

政府に「終末期医療について見直したい」という意図がありつつ、ヘタな使え方をすれば、冷静・客観的な報道姿勢に欠けた大手マスコミは、気が狂ったように反対するに違いありません(笑)。今度は高齢者を巻き込んで、またまた、大騒ぎとなることでしょう。

ということを考慮したのか・どうかは、不明ですが(笑)、この本のベースはブログによるネット経由の情報発信でした。本文中にある、いろんな立場の人たちのコメントは、実際のブログ記事に寄せられたものです。

まとめ

医療費削減を実現したい人たちが、最も費用対効果の大きい終末期医療にターゲットを絞り、抵抗勢力となる可能性の高い団体(医師会)から筆者を選び、同じく反発しそうなマスコミを避けつつネットメディア(ブログ)に発表してきた文章をまとめたのが本書で、時の話題性はつくられたものである、という見方は「深読み」のし過ぎでしょうか(笑)。しかし、消費税を8%にしようとする場面では、このような世論が意図的に「つくられた」のも確かなんです。

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