老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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年金が少ない?年金額の試算から考える、あの事件

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新幹線で焼身自殺した男性の自殺動機は、「年金が少ない」というものでした。報道によって、この男性に関して、

  • 年金加入期間が35年(すべてが厚生年金期間かは不明、職歴から考えてたぶん違うでしょう)
  • 歌手、鉄工所、幼稚園の送迎運転手など職を転々としていた
  • 1回の年金受給額(2ヶ月分)は24万円、1月あたり12万円

といったことが確認できます。

年金が少ない?

多い・少ない

はっきり言いましょう。年金受給額が1月あたり12万円というのは、平均的か 、この男性の職歴から判断して、 むしろ多いくらいです。

マクロ経済スライド導入時に参照事例とされた「モデルケース」でも、夫ひとりの年金受給額は、16万円くらいにしかなりません。このとき、夫の職歴の前提は、「平均賃金で40年間、厚生年金加入」です。(モデルケースは、2004年をベースにつくられたものですが、この間、デフレが継続していたことを考えると、参照事例として不適切とはいえません。)

「年金が少ない」という感覚は、どこから?

推理・その1

上記のモデルケースには、「妻の基礎年金満額支給」がプラスされます。このときの前提は、「40年間、専業主婦」です。妻は3号被保険者としての加入ですから、保険料は1円も払っていません。費用(夫だけの保険料)VS効果(夫婦で受け取る年金総額)を大きく見せるために、こういう「ケース」を想定しているわけです。このとき夫婦での年金受給額は、1月あたり約23万円となります。

この23万円と比較すれば、確かに少ない。

にわかには信じがたい話かもしれませんが、「自分が単身(妻なし)」という前提を無視して、「自分の年金は少ない」という人は、少なくないのです。私自身、こういう「勘違い」をしている人を何人も見てきました(笑)。

費用対効果を大きく見せるための「モデルケース」による被害者といえなくもありません(笑)。

推理・その2

男性の比較対象が「公務員」ということであれば、「少ない」という感覚は理解納得できる話です。公務員の場合、負担する保険料は民間企業の勤務者とほぼ同じにもかかわらず、基礎年金プラス共済年金に、「職域加算」というオマケがもれなく付いてきます。

この「職域加算」は、いわゆる「年金の3階部分」というヤツで、民間企業では、余裕のあるところしか存在しませんし、もともとあったモノも、バブル破綻以降、多くのケースで潰れてしまいました。

最近、「大人の事情」で、公務員の年金(共済年金)に関する情報やデータは、きわめて入手しにくい状況ですが、ほぼ同じ保険料負担で、「もらえる年金は、公務員の方が、ざっくり3割ほど多い」と言ってしまって過言ではないと思います。

推理・その3

いやいや、そんな細かいところまで考えていませんでした。

ただ、何となーく、少ないと感じただけです。

ということであれば、全くもって同情の余地はありません。

この動画が伝えるメッセージに、強く賛同するほかありません。

まとめ

現在現役である将来の年寄りの

費用(支払保険料)VS効果(生涯の総受給年金額)

から来る、「年金が少ない」感は、

この男性の比ではないですから。

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