老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

Read Article

マクロ経済スライド、制度導入の経緯をわかりやすく説明してください

SPONSORED LINK

こちらの記事(厚生年金は、2033年に破綻する?!)に、追加説明です。野口シミュレーションに、「マクロ経済スライド」は考慮されていません。マクロ経済スライドについては、以下で説明しています。

年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(1)

年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(2)

過去をふりかえると、「考慮しない」方が、より現実的だったとえます(笑)。

元厚生労働官僚の偽らざるホンネ

お坊さん

「(支給額そのものは)増えているのに、(実質価値は)減っている」という禅問答のようなマクロ経済スライド。「なぜ、こんなわかりにくい制度が導入されたのか」については、上記の記事でもふれましたが、関連する興味深い文章を見つけました。

日本の医療政策の最大の失敗は1972年の老人医療費無料化であり、『社会的入院』の増大など医療供給に大きな弊害をもたらした。これは甘い政策を打ち出すと元に戻すことが困難であることの典型例であり、原則1割定率負担にするのに30年の歳月と労力を費やした

島崎謙治著 日本の医療・制度と政策』東京大学出版会

著者は、元厚生労働官僚ですから説得力が違います。文中、キーワードは、いうまでもなく、「甘い政策を打ち出すと元に戻すことが困難」。マクロ経済スライド制度導入の経緯について、これ以上、わかりやすい説明はありません(笑)。

年金額は減らしたいけど、年寄りに気を遣うあまり、「露骨には」減らせない。そこで、ひねり出したのが「マクロ経済スライド」ということになります。

セイホ業界では許されないモラルハザード

こういう姿勢は、すでに年寄りに見透かされていて、むしろ悪用されかねません。

野口論文に、こんなくだりが。

マクロ経済スライドができないと、所得代替率を引き下げることができない。つまり、既裁定の年金については、所得代替率がかなり高い状態が続くわけである。
したがって、受給年齢に達したあとは、仕事を続けて在職老齢年金の適用を受けて年金給付をカットされるより、労働をやめて年金を全額受給する人が増えると考えられる。したがって、財政検証で想定された給付が増加してしまう可能性が高い。

野口悠紀雄著『日本を破滅から救うための経済学』ダイヤモンド社

実際、今も「かなり高い状態」は続いています。(所得代替率が高い)いまのうちに、年金をもらっておこう!というわけですね。

まとめ

こういうのを、たしかセイホ業界では「モラルハザード」と呼び、業界では保険への加入を固くお断りしているはずですが(笑)。

Return Top