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年金の離婚分割に過剰な期待は出来ません

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平成19年4月から、「離婚時の年金分割」というのが始まりました。離婚時に、年金納付「記録」を分割し、夫婦それぞれの年金支給に反映させようというものです。離婚をひかえた人やその予備軍を中心に、「過剰な期待」を寄せるケースが少なくありません。誤解は解いておきたいものです。

離婚分割とは

厚生年金部分だけです

ハートブレイク

まず、分割されるのは厚生年金部分だけです。他の記事でもふれていますとおり、基礎年金部分について、政府は各個人への最低限の支給として死守する意向です。この部分を、変にいじることは考えられません。逆に厚生年金部分は、いろんなところでオモチャのような扱いになっています(笑)。

対象は婚姻期間中の記録だけです

分割対象となるのは、あくまでも「婚姻してから離婚するまでの記録」のみです。つまり、中高年になってからの婚姻・離婚というケースには、ほとんど妙味はありません。

上限が決められています

分割の上限は、婚姻期間中における夫婦の保険料納付きろくの半分までです。つまり、夫婦の記録が同額になるまでとされています。

たとえば、夫の記録が70、妻の記録が30とします。この場合、合計は、100となりますから、その半分である50が上限。最大でも夫の20が妻に移動して、夫婦ともに50ずつということになります。これを超えた配分変更はないのです。具体的には、夫に20で、妻が80という配分はありえません。

ちなみに、分割割合は原則的に夫婦の協議で決め、離婚後2年以内に年金事務所へ請求することになります。まとまらないケースでは、夫婦どちらかの求めに応じて裁判所が分割割合を決めることになります。

反映されるのは限定的

分割後に夫婦に支給される老齢厚生年金は、分割後の保険料納付記録にもとづいて計算されることになります。ただし、300月未満の厚生年金加入記録で支給される障害年金は含まれません。また、60歳台前半の老齢厚生年金の受給資格期間や、基礎年金の額、特別支給の老齢厚生年金の定額部分の額等には反映されません。

第3号被保険者の場合

年金の離婚分割でも恵まれているのは、3号被保険者です。2号被保険者の年金保険料納付記録(通常は夫の記録)の2分の1の額を、3号被保険者(通常は妻)へ分割することができます。この場合、当事者の合意や裁判所の決定は必要なく、3号被保険者だった人の年金事務所への請求だけで分割が行われることになります。

3号被保険者にとっては、分割を受けた期間について、新たな厚生年金の「みなし加入期間」が発生することになります。ただし、この「3号の分割」がみとめられるのは、平成20年4月以降の婚姻期間に限られます。

まとめ

離婚分割とは、ただでさえ「少ない年金」を「より少なく」分けようとすることに他なりません。熟年・高年で婚姻した場合には、「離婚分割」ではなく、パートナーの死を待っての「遺族年金」狙いの方が合理的です(笑)。

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