老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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年金制度の賦課方式と積み立て方式とは何ですか?

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先の衆議院選挙で、とある政党が「公的年金制度を積み立て方式に移行する」ことをスローガンとして掲げていました。また、弁護士出身で日本一知名度の高い某市長も、同じ事を発言したことがあります。正直、もう少し勉強していただきたいものです(笑)。

日本の年金制度、始まりは積み立て方式

年金問題をわかりやすく説明した「超」意外なオススメ本としてご紹介した、安倍晋三著『美しい国へ』文春新書には、こう書かれています

日本の年金は、積立方式を基準にしながら、最終的に賦課方式になった。

さすがに、年金通(笑)。

積み立て方式と賦課方式のちがい

積み木

積み立て方式とは、ある世代について、支払った保険料と年金の支払額を、割引現在価値をベースにして、バランスさせる方式です。民間の保険商品は、この方式で運用されています。積み立て方式による運用では、高度成長時代のような高インフレには、全く対応できません。

賦課方式とは、その年に集めた保険料収入で、その年の年金を支払ってしまう、という方式です。

積み立て方式は、自分たちの支払った保険料を後に、自分たちが受け取るだけのことです。この方式で、ずっと運用されているなら、今日叫ばれているような「世代間の不公平」といった問題は、起こりえないわけです。

知られざる真実

日本の公的年金の運用方式は、歴史の途中で、積み立て方式から賦課方式に変わったのです。

理由は、積立金の運用利回り(割引率)の見込み違い。結果として、過去に集めた保険料と支払い年金額の収支が合わなくなり、賦課方式に切り換えました。この経緯をふまえないと、賦課方式で運営されている日本の年金に、巨額の積立金があることの説明がつきません。

ここしばらくのデフレ期間、年金の支給額は本来もらえる額よりも多いままに放置されてきたと、デフレ脱却を目指すアベノミクスは、年金とカンケイがあるのですか?で説明しました。「多めの支払い」の財源も、もちろんこの積立金というわけです。

賦課方式に「切り替えた」と言っても、法律の条文上に明記されているわけではありません。あくまでも、賦課方式的に運用されているだけにすぎません。

賦課方式運用を確認できるのは、古川元久議員提出の「公的年金制度等に関する質問主意書」に対して、当時の政府が2004年8月に閣議で了承した答弁くらいです。

公的年金制度・・・の財政方式は賦課方式(毎年度の年金給付等に要する費用をその年度の保険料収入等で賄う財政方式をいう。)を基本とした方式であると考えている。

これ以外、公的根拠は見つかりません。あるのかもしれませんが(笑)。

まとめ

公的年金の歴史を振り返ると、その時々、かなりいい加減なことを繰り返してきたことがわかります(笑)。このあたり、「法律で何とでもなる」という証明です。途中で、賦課方式に切り替わったために、特定の世代の人たちは、きわめて少ない支払い保険料で、多額の年金を受け取ることになりました。

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