老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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【マクロ経済スライド】2020年度も連続実施。実質価値は減少。

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4月から始まる2020年度も年金のマクロ経済スライドが実施されることになりました。昨年度に続いて、2年連続になります。

具体的には、6月分の年金額から増額になります。が、価値は減ることになります。

詳細を説明します。

マクロ経済スライド

マクロ経済スライドとは、公的年金の減額措置です。少々複雑な仕組みになっています。

本来、公的年金は物価にスライドして増額することになっていました。が、現状では「完全にはスライドしない」ルールになっています。極端な例で言えば、物価が倍になった場合に年金額がそのままであれば、価値は半分になります。この場合、もともとは年金も倍増することになっていました。が、これを完全には倍にはしないというのがマクロ経済スライドの仕組みです。ざっくり、言えば。

物価のみにスライドしていたのが、昭和48年から平成26年度までで、現在は賃金に対してもスライドします。

物価と賃金、それぞれについてプラスになるケース、マイナスになるケースがあります。現状、公的年金の支給額が増額されるのは物価、賃金、ともにプラスの場合で、しかも、本来のマクロ経済スライドによる調整およびキャリーオーバーと言われる新設された次年度以降への繰越調整を超える場合に限られます。

2020年度、公的年金支給額アップ

2019年の物価上昇が0.5%で、賃金上昇が0.3%。物価、賃金ともにプラスの場合、本来、少ない方の賃金の変動率0.3%に合わせて調整されます。本来、年金額は0.3%アップします。が、マクロ経済スライドによる調整のため、0.2%増に抑制されます。

マクロ経済スライドは、04年に導入され、過去、実施されたのは15年度と19年度のみです。2年連続は、初めてのことです。

厚生労働省は、昨年実施された公的年金の財政検証の結果をふまえ、今後、少なくとも26~27回の調整が必要だとしています。

04年導入時には、2023年で終了予定でした。が、この間、デフレが続き、物価上昇を前提としたマクロ経済スライドが実施される余地がなかったわけです。

この間、持続的に公的年金は「払いすぎ」状態が続いてきました。

●特例水準と本来水準グラフ

こちらの図にある点線と実線で囲まれた面積が象徴するものが、支払いすぎ年金額の総額になります。

支払いすぎ分をも解消する必要がありますので、当初の制度導入時の予定を超えて、26~27回も調整しないと辻褄が合わないということです。

今後、30年の公的年金の動向

すなわち、今後、年金額は支給額は増えても、物価や賃金に対して相対的に価値の減少が続くということです。少なくとも、26~27回の実施ということは、今後約30年間分ということです。

人生100年としても、新たに65歳から年金をもらい始めた人の年金の相対価値は、死ぬまで下がり続けるということになります。

「働き続ける」以外の選択肢はない

さらに、老後2000万円問題があります。金融庁が昨年発表して話題になった不足額2000万円の根拠は、現状の高齢世帯の月あたりの収入と支出の差が5万円。期間は、65歳から400ヶ月、約33年強となります。

ここでいう高齢者世帯とは、あくまでも現状であり、60代前半5年間に満額の年金が支給された世代を含んでいます。

男子の昭和36年以降生まれの場合、60歳代前半では原則的に1円の年金も支給されませんので、話題となった2000万円ではおさまらないハズです。年金額の計算は夫婦2人分のモデルケースで算出されますから、話題の金額はおよそ倍になるといって過言ではありません。

これだけの金額を蓄えで用意するとなると、平均的な給与所得では、ほぼムリです。現役世代への多くのアンケート結果に反映されています。さらに、儲かっている会社に勤務していても、中高年のリストラが避けられない状態となっています。

一般的には、働き続ける以外の選択肢は、なさそうです。

今回は、以上です。

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