老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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マクロ経済スライドが2015年に続き、2度目の発動となりそうです。

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マクロ経済スライドとは、04年に導入された年金支給抑制策です。抑制策と言いながら、これまでほとんど機能することはありませんでした。とはいえ、マクロ経済スライドが愚策かといえば、そうではありません。

2018年通年での物価の伸びは通年で1%を超えそうです。

日経新聞電子版、11月22日付記事は伝えています。

国民年金や厚生年金など公的年金の給付額を抑える「マクロ経済スライド」が2019年度に発動される公算が大きくなった。発動を判断する指標の一つである消費者物価指数(CPI)は18年10月に前年同月を1.4%上回った。通年でも1%超の見通しで近年では高い水準だ。

繰り返しますが、マクロ経済スライドとは年金支給抑制策です。ただし、年金支給額そのものをカットするのではありません。本来、公的年金は物価の変動に合わせて年金支給額がスライドして増減するルールとなっています。が、この伸びを抑制することで、相対的な価値を低下させようとする試みです。

前提として想定していたのは、物価が継続的に上昇を続ける経済状況でした。

ところが、マクロ経済スライドが導入された04年来、日本は物価の下落が継続するデフレ状況でした。

想定になかったデフレに直面した政府は、マクロ経済スライドを発動するところか、本来やるべき物価の下落に合わせた年金支給額カットすらも実行することなく放置しておきました。

以後、本来の年金法が想定していたよりも多額の年金支給が継続することになりました。

この「年金払い過ぎ」状態がようやくストップしたのは、2015年。制度発足以来、初めてマクロ経済スライドによる調整が発動されたのと同じ年です。

この間、異常な状態が続きました。

引用記事は2018年の物価変動をふまえ、制度発足以来2度目のマクロ経済スライドが発動されることになりそうだという見通しを伝えるものです。

マクロ経済スライドは愚策だったのか?

制度発足以来、約15年。ほとんど、発動されることのなかったマクロ経済スライドという年金支給抑制策が天下の愚策であったかといえば、これは違います。

確かに一見して、デフレ継続を読み違えたようには見えます。が、これはデフレを継続させた経済政策の方が間違っています。

マクロ経済スライドが前提としていた、「物価が継続的に上昇を続ける状態」とは、成長が続いている経済です。

日本は失われた15年、20年とか言っている間に、経済成長を止めてしまいました。この間も、他国はフツーに成長を続けましたので相対的に日本は、どんどん貧しい国となっています。

根本的な政策が転換しない限り、成長する経済は帰ってきません。物価が継続的に上昇を続ける日々も戻ってきません。

政策立案の前提が「成長しない経済」というのは、ありえない話です。立案した厚生労働省を擁護する気はありませんが、マクロ経済スライドが愚策だったとは思えません。

最後に、動画によるメッセージをどうぞ。

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