老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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社会保障協定。2国間に格差がある場合の協定締結は、一方から一方への社会保障の流出になりかねない。

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ついに現実化した悪夢

5月9日、河野外務大臣は「日中社会保障協定」に署名しました。というか、してしまいました。

日本と中国がなぜ、社会保障協定を締結するような事態になってしまったかといえば、中国に在住する日本人駐在員の「社会保険料2重払い」状態を救済してあげるためです。

日本ではかつて「中国市場」に夢を託して、「中国への経済進出」がブームになったことがあります。著名な外資系企業の経営コンサルタントに先導され、猫も杓子も中国に行きました。経済専門紙も社をあげて煽りました。自社の新聞でも、配下にある関連週刊誌でも、くりかえし「中国ブーム」を演出し続けました。

今では、人件費も上がってしまい生産拠点としての競争力を失い、結果、少なくとも製造業者の多くは中国から逃げ出したいというのがホンネなんです。が、中国政府がありとあらゆる違法・合法の手練手管を尽くして、中国に縛り付けておこうとしています。事実上、倒産して身ぐるみはがされて一文無しになるまで中国からは出してもらえない、といった類いの話はよく耳にします。

「身ぐるみはがされる」具体的事例が中国政府に支払う社会保険料負担です。

わずか7万人の中国駐在員のために日本人高齢者全員が犠牲になるのかも

報道によれば、今回の社会保障協定の締結で、

日本人駐在員7万人が対象で、日本企業に四百数十億円規模の負担軽減効果があると伝えています。

ざっと500億円として7万人で割算すれば、日本人駐在員ひとりにつき年間70万円以上の社会保険料を中国政府に支払っていたことになります。この支払金額に見合うだけの社会保障が現状の中国に存在しているとは考えにくく、いかに懲罰的でありえないほどの負担が課せられていたことがわかります。

自分たちの利益追求のために中国に出ていった企業は、あくまでも自己責任のハズ。自分たちの後始末のために、何の関係もない日本人高齢者が享受するべきだったハズの社会保障を中国人民に開放してしまったことになります。

例えば、公的年金の受給要件は日本の場合、10年です。最近改定されました。一方、中国の年金をもらうには25年の加入期間が必要です。結果、日本人が中国の年金はもらいにくく、中国人は日本の年金を簡単にもらえる事態になっています。

中国の日本人駐在員、わずか7万人を救済するために、失った犠牲はあまりに大きいと言わざるを得ません。

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