老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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誰もが老後の資金として考えている年金とは何ですか?

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老後の資金として、まず誰もが思いつくのが公的年金です。日本人の老後の生活は、公的年金に大きく依存しています。このことはすでに、老後のために、お金はいくら準備すれば良いのでしょうか?で取り上げました。参照してください。確かに、「誰もが思いつく」公的年金なのですが、公的年金について、正しく理解している人は、ほとんどいないのが現実です。

そもそも、年金って何?

年金手帳

年金手帳写真

画像引用元:日本年金機構HP

ごく一般的な人生のパターンにおける、公的年金とのかかわりを考えてみます。会社に就職して給料をもらい、その中から毎月、保険料を支払います。やがて一定の年齢となって退職して、年金を受け取る。

やっていることだけを見れば、若いときに掛金を払い、それを国が運用して、老後に、その運用益を山分けして配当する。まさに、「国営の巨大ファンド」そのものです。こんなふうに理解している人がたくさんいます。あるいは、ほとんどの人がそう思っているかもしれません。だから、「年金は、いつかハタンする」などと考えたりするわけです。

しかし、これは完全な誤解です。まず、給料から支払うのは「保険料」であって、「掛金」ではありません。老後、定期的に受け取るお金は、「保険金」であって、決して「ファンドの運用益」ではありません。

「事故も起こっていないのに、保険金が受け取れるとは、一体どういうこと?」という疑問が出てきます。年金として支給されるものに、遺族年金、障害年金、そして老齢年金の3種類があります。

遺族年金は、通常は、夫を亡くした妻が受け取ります。障害年金は、一定レベル以上の障害状態になった人が受け取ることになります。この2つは、名前のとおりイメージしやすい。

一方、我々が「いわゆる年金」と呼んでいるものが老齢年金です。年金法では、「老齢」すなわち、年を取ることそのものを保険事故と考えているわけです。

あくまでも、「まさかの長生き」というリスクに備えるための保険です。だからこそ、公的年金は死ぬまでもらえることになっているのです。

公的年金というシステムの設計上、最大の誤算は「平均寿命」です。

以前の会社勤めは、文字通り「終身雇用」でした。つまり、死ぬまで働いていたのです。定年退職後も、平均からいえば、そんなに長生きをする人もいなかったわけです。だからこそ、レアケースのための「保険金としての年金」が十分に機能したのです。

ところが、現状の公的年金は退職してから死ぬまでの、20~30年にも及ぶ期間の「生活費」と見なされるようになってしまったわけです。しかも、受給者の絶対数はまだまだ増え、保険料を負担すべき現役世代の絶対数は急激に減っていきます。

こういった事情で、政府は、寿命の延びに合わせて年金支給開始年齢を遅らせたり、企業に定年年齢をズラして雇用の延長をお願いしたり、といったことをやっているわけです。

もちろん、年金支給の相対価値も、年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(1)年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(2)でふれたとおり、下げざるをえません。

こういったいきさつは、ひとつの官庁にすぎない過厚生労働省の制度運用が上手くなかったとか、特定時期の政府が悪かったといった類(たぐい)の問題とはいえません。

まとめ

老後の資金として考えていた公的年金が「保険金」と聞いて、ビックリという人も少なくないかもしれません。しかし、年金関連法をめぐっては、複雑で特殊な法体系にもかかわらず、「日常生活の常識」からの当て推量で語られることが、あまりにも多いのが現実です。ご近所の高齢者による年金をめぐる井戸端会議では、SFかと勘違いするような「トンデモ話」が飛び交っています(笑)。「そもそも」を考えてみることで、見えてくこともあるのです。

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