老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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勇ましいコトバを並べておけば年金行政を批判出来るとの思い込みは間違い。せめて、年金法の条文くらいは読んでいただかないと(笑)。

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年金問題を取り上げ批判する前に、十分な学習を

公的年金関連行政を批判する人は少なくない。世間ウケするようなことをひととおり並べておけば、世間も溜飲を下げ、とりあえず自分の株も上がるに違いない。と、お考えなのかも(笑)。しかし、残念ながら多くのケースにおいて、知識不足のために「批判」自体が間違っていたり、マト外れだったりというのが実態。

4月10日付として、マネーポストWEB版に下記の記事が掲載されている。

●消された年金問題 現役世代も“定期便”を確認し自衛せよ
https://www.moneypost.jp/265422
マネーポストWEB
2018年4月10日

デタラメ、オンパレード

まず、扶養親族等申告書のデータ入力が不正確だった件を「消された年金問題」と呼ぶのは間違い。この件で、責められるべきは年金機構から業務下請を受注した会社が二次下請けを使い、年金記録などの個人情報を勝手に二次下請けへ引き渡していた点である。年金問題に、何でもかんでも「消された」であるとか「消えた」とかいった修飾語を付ければ良いというものではない。かえって問題を矮小化してしまう。

また、記事中にある「2016年12月には年金カット法を成立させ」というのも間違い。まず、「年金カット法」なる名称の法律は存在しない。公的年金は物価・賃金、それぞれがマイナスかプラスかによってスライドするようになった。が、物価・賃金ともにプラスのケースにおいては増額改定される可能性は残っている。物価や賃金に対するスライドは、従前からも存在するし、ルール改正のための暫定期間も設けている。

記事にあるような「年金カット法」なるものが導入され「受給水準(たぶん、給付水準のつもり?)はどんどん引き下げられていく」事態になれば、真っ先に与党議員が反対するに違いない。

政府ならびに政権与党は、高齢者の年金問題がいかに選挙に影響するかを知っている。少なくとも、このような「ノー天気」な記事の書き手よりは熟知している。第1次安倍内閣が倒れたのは、年金問題であることを知っておくべきである。

さらに、1997年以前・以後という時間軸で年金記録の発生リスクを考えるのも間違い。官製もミスよりも、民間会社あるいは担当者の知識不足によるミスの方がはるかに発生確率は高い。「年金記録の間違い」という話をしたいのであれば、時間ではなく、発生場所による検証こそが適当である。

また、年金記録は今日でも訂正を受け付けているし、必要な対応をしている。それを「11年前の経験で我々は学んでいる」といった具合に過去形で論じるのは全くのデタラメ。

まず、年金法を読むことから始めよう(笑)。

年金行政を非難したい、もの申したいというのは良い。そのためには、まず、十分な勉強が必要だ。このようなマト外れな記事を書いているヒマがあるなら、まず、年期違法の条文を読んでみることから始めては如何だろうか。

記事が指摘する点よりも、国民の個人情報があろうことか外国に渡ってしまった可能性があるという点の方がより深刻である。

記事の書き手氏のは、さらなる努力を期待したいところである(笑)。

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