老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(2)

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この記事は、年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(1)の続きになります。マクロ経済スライドが、公的年金の支給を相対的に減らす施策であることは、すでに説明しました。今回は、「減らす」の中味についてみていくことにします。「公的年金を減らす」という場合、一定の数値目標が設定されています。その指標となるのが、

所得代替率

と呼ばれるものです。所得代替率を算出するには、ちょっとした割り算が必要となります。

まず、分母には、年金の支給が始まる時点(65歳)におけるボーナを含めた手取り賃金(男性のケース)の平均額

そして、分子には、モデルケースにおける年金の受取額

を置いて、算出することになります。

この計算式の意図するところは、受け取っている年金が現役で働いている人の収入と比較した割合を示すことです。「そこそこ、もらっているじゃないですか」と納得させようというわけです(笑)。

この計算式には、ちょっとしたトリックが使われています。

計算式のトリック

モデルケースにおける年金額は、夫婦の合算です。その前提は、夫が40年間平均賃金で、厚生年金に加入。妻は、その40年間ずっと専業主婦。このとき、分類上、夫は2号被保険者、妻は2号の配偶者ですから3号被保険者となります。つまり、妻は40年間、全く保険料を支払うことなく、満額の基礎年金を受け取ることができます。

モデルケースと言いながら、今どき、夫も妻も、ちょっとあり得ないレアケースです(笑)。

40年間、支払うのは夫の保険料のみ。にもかかわらず、分母の数値は夫婦合算ですから、算出される数値は「水増し」されたものになります。

ちなみに40年間、独身でも、妻帯者で妻が専業主婦でも、支払う保険料はまったく同じです。

絵に描いた餅でした

マクロ経済スライドの導入時(平成16年)に、所得代替率が約60%でした。当初の計画では、これを約20年かけて、50%にまで下げようとしていました。

しかし、年金のマクロ経済スライドをわかりやすく説明してください(1)で説明しましたとおり、この間、ずっとデフレが続き「実行」できないままでした。

平成16年度の所得代替率が59.3%、平成21年度62.3%ですから、途中、減らすどころか、増えているのです(笑)。

まとめ

マクロ経済スライドとは、ここまで年金受給者に気を遣った政策です(笑)。ツケは、すべて次世代が引き受けることになります。水増しされ、ほとんど意味のない「所得代替率」さえも、将来的に50%を維持することはムリでしょう。

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