老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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老後のために、お金はいくら準備すれば良いのでしょうか?

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記事タイトルにあるような質問に、マジメに答えようとするなら、今後、高い確率で、あなたの老後の生活はハタンする可能性があります。

あなたは、いくつかの前提条件をふまえた数値をもとに試算された「解答」を求めていたことでしょう。

しかし、考えていただきたいのです。

いろんな数字を駆使して、どこかで聞いたことのあるような答えを用意するのではなく、「問い」そのものを検討してみようというのが、この記事の趣旨です。

ホントに記事タイトルの質問は成り立つのでしょうか?

まず、「老後」というコトバを確認しておきます。もちろん、いつから老後が始まるか?という問いに対する答えは、人によってさまざまです。

ここでは、正式な公的年金の支給開始年齢であり、政府が実現させようとしている退職年齢とも合致する「65歳から」としておきます。

ちなみに、もっと若くして年金をもらっている人もありますが、現在は移行期で、彼らに支給されているのは「特別支給の老齢厚生年金」と呼ばれるものです。

ここで、65歳までの貯蓄を難しくしている事情が2つあるのです。

まず、65歳までのまとまった支出です。

札束

老後が65歳から始まるとの前提に立てば、いわゆる「老後資金」なるものは、当然、65歳までに準備しておかなくてはなりません。

ひとりの個人が20歳前後で職に就いてから、65歳までのあいだに、 ごく平均的なケースとして、 まとまった支出として、下記のものが想定されます。

・結婚にかかわる費用

・こどもの教育費

・住宅購入費または家賃

・親の介護費用

つぎに、約20年間賃金が、下がりっぱなしであるという事実です。

安倍政権の下、多少、変化のきざしは出てきたのですが、いわゆる「失われた20年」のデフレ期間中、賃金は下がりっぱなしなのです。 名目賃金は97年をピークに、そして、実質賃金は96年をピークに。長期間にわたり、右肩下がりが続いています。

平成22年版 労働経済の分析

賃金の動向

引用元:厚生労働省HP

65歳までに、まとまった金額を貯蓄する、

老後にそなえて、しかるべきお金を準備する、

やろうとしても、きわめて難しい環境にあることが、ご理解いただけると思います。

さらに、

公的年金の年金支給は、大きく変わります。

現在、日本人の公的年金への依存度は、きわめて高い状態です。

日本年金機構パンフレット:『知っておきたい年金のはなし』

高齢者家計に占める公的年金の割合

引用元:日本年金機構HP

65歳以上では、約6割の人が、公的年金だけで生活しています。他に収入がある人も、全収入の約7割を公的年金が占めているのです。

残念ながら、こんな「夢のような世界」は、いつまでも続きません。

日本は、すでに人口減少プロセスに入っています。しかし、今世紀の半ばまで、公的年金受給者の絶対数は増え続けます。一方、給料からの保険料の支払いによって、公的年金を支給するためのお金を稼ぎ出す現役世代の絶対数は、急激に減っていきます。

結果として、ひとりひとりが受け取る年金は、絶対額はともかく、相対的に、きわめて少ないものとならざるをえません。

ちなみに、「公的年金制度がハタンする」と言う人がいます。年金法の条文など一度も読んだことのない人たちばかりです。公的年金は金融商品ではなく、法律の体系です。「ハタン」に匹敵するような事態が起こると予測されれば、関連法を改正すれば良いだけのことです。すでに、何年も前に対応はできています。

まとめ

お年寄り

65歳から死ぬまでを「老後」とすれば、仮にまとまったお金が用意できたとしても、それだけで過ごすには、あまりにも長い時間です。

老後という時間を、それまでに準備したお金と公的年金だけで過ごすということ自体が成り立たない時代が到来します。

必要なのは、「老後は、こんなふうに過ごせばいいんだ」という思い込み、私たちの「老後観」そのものを変えることです。

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