老後のおカネ

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ブラック企業VSブラック社員、限りなく低次元の闘い(笑)。

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【はじめに】

ある人のオススメで読んでみたんです、この本。著者は、厚生労働省の元キャリア官僚。「ブラック企業ネタ」が広く世間の知るところとなったんで視点を変えて「ユニオンを中心にしたブラック社員ネタ」でいってみようという試み(笑)。著者の立ち位置が、「完全に会社サイド」であることはタイトルからも明らか(笑)。これからの「働き方」を考えるのに、ちょっとしたヒントになるかもしれないと思い、取り上げてみることにしました。

田岡春幸『中小企業がユニオンに潰される日』青林堂

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ブラック企業・ブラック社員と法の支配

そもそもの話。中小零細企業の経営者の多くは、「人を雇うこと」が法律行為であるという自覚がありません。「まさか」の話かもしれませんが、労働基準法すら1行も目を通したことがない経営者は珍しくないです。中小零細とはいえ、それで「経営者」が務まってしまうことこそが問題。彼らの頭にある法律といえば、ほぼ税法のみで、年に1回会計的な申告さえしておけば、自社は社会的にその存在が許されるんだという思い込み(笑)。顧問税理士と契約するのは、あたりまえ。しかし、顧問社会保険労務士と契約するのは、今だにマレなこと(笑)。

「ブラック企業」が世間の関心を引くようになったのも、こういう状態に対して、ようやく労働者が権利意識に目覚めてきたからにほかなりません。

こういった状況を十分にふまえることもなく、いきなり「ユニオンはけしからん」「ゴネるヤツらは、ブラック社員だ」と言ってのけるあたりは、さすがに元キャリア官僚。現場・現実が、全くわかっていない。もっとも、想定読者は経営者のみ、ということなら、分からないでもないですが(笑)。

早くもこういった具合に「会社・経営者サイド」に立って情報発信し、ひと儲けしてやろうという人物が出てきてしまったことをふまえつつ、しっかり理論武装しておかないと、「雇われ」状態で世間を渡っていくのは難しいということです。

ブラック社員をつくりだす、ユニオンの正体

ユニオンとは既存労働組合とは異なり、誰もが加入できる団体。突然クビになったりした労働者に代わって、または一緒に、元の勤務先と交渉してくれたり、相談に乗ってくれたりします。労働関連法規など知ったことではないという無茶苦茶な経営者から労働者を守ってくれます(笑)。

確かに良いところもあるものの、思想的には大多数が「左巻き」で、原発反対・沖縄の米軍基地撤去を叫び、安保法案を戦争法案と言ってのける人たちと同じカテゴリーに属します。必ずしも、トラブルを抱える労働者の利益に貢献してくれるわけでなく、自分たちの損得(おカネ)で動いているんじゃないかとの指摘もあります。

もちろん、こういう人たちが活動出来る余地を与えてしまうこと自体が問題なんです。が、彼らの活躍(笑)なくして、労使ともに職場を取り巻く法律問題に目覚めることはなかったんじゃないかと思います。

最近話題の電通社員自殺問題も法律問題として語っている人は、ほとんどいません。組織論だったり、感情論だったり。電通に、いくつもの法律違反があったことは明らかで、そこを指摘しないと。世間的に名が知られた有名企業の実体がブラック企業だったというのは、よくある話。

この本は、かかわるとやっかいなユニオンといかに対応すべきかを説いているんですが、いきなり、「ユニオンはケシカラン」と言う前に、まず、多くの会社にコンプライアンスを求めたいところです。

ブラック社員VSブラック企業、レベルの低い闘い

長時間勤務など、法律を無視した労働を社員に強いる会社、またはそうウワサされている会社には、事前予告なしに労働基準監督署の査察が入るようになりました。会社の規模の大小は問いません。実は、「ブラック企業」というコトバが最も気にかかっているのは、労基署だったりします(笑)。「なぜ、あんな会社を野放しにしているんだ」「仕事をしろ」という世間の評判を気にしているわけです。

査察に入られて改善命令を受けた会社は、「こんなふうに社内体制を整備しました」というレポートを提出しないといけません。この時に初めて、労働基準法をはじめとした関連法規を勉強しておく必要があるなと気がつきます(笑)。

多くの会社経営者・役員は、だいたいこんな感じですから、ユニオンやユニオンに知恵をつけられたブラック社員のつけ入るスキも少なくありません。労使ともに、こんなプロセスで労働関連法規を学んでいくことになります(笑)。文字通りのオンザジョブトレーニング(笑)。

社会に出て働く以上、労基法を中心とした労働関連法規は、きわめて大切・必要不可欠な知識であるにもかかわらず、学校でも、地域社会でも、職場でも学ぶことがありません。結果、会社の就業規則を読んでもサッパリわからない(笑)。

ユニオンには、まだまだ暴れていただかないと(笑)。

まとめると、ユニオンを避難・攻撃するのは時期尚早だということです。おおよそ経営者たる者に遵法精神(コンプライアンス)が身についてからで十分。我が国の労働環境といえば、人類史に例えると、ようやく二足歩行がはじまったところにすぎません(笑)。

人を雇うという行為が、江戸時代に丁稚奉公が実施されていた当時の慣習と同じようなもんだくらいにしか考えていないような経営者は、せいぜいユニオンに鍛えていただいた方がよろしい(笑)。

労使ともに、法律をベースにしたコミュニケーションが交わせるようになるまで、ユニオンには「必要悪」あるいは「やがて撃滅されてしまう敵役」として、ガンバっていただきたいものです。

 

 

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