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社会保険労務士試験、合格率、難易度から合格後のことまで

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現役社労士による、第48回(平成28年度)社会保険労務士試験レポート

平成28年8月28日、社会保険労務士試験が実施されました。私は、兵庫県の試験会場で神戸市にある甲南大学にて、試験監督者として参加、無事にお役目を果たすことが出来ました。

試験監督という仕事は、結構な重労働なんです。試験当日のスケジュールや段取りについて細かく記述したマニュアルを読みこなさないといけないし、事前のミーティングにも参加しないといけない。そして、当日には早朝の試験開始何時間も前から集合して、いろんな作業をやないといけません。当日になって、「体調不良で行けません」などということは、滅多なことで受け入れてもらえるものではありません。

ある意味、受験者以上に過酷です(笑)。

マークシート方式

なぜ、志願してまで、そんな「過酷な労働」に参加するかといえば、試験こそが「社会保険労務士」という資格の認知度や知名度、広く世間からどう思われているかを推測するバロメータであり、社会との接点のように感じているからなんです。個人的には、業界内部からは見えない気づきが得られることも少なくありません。

さて、前口上はこのくらいにして、これから社会労務士試験を受けてみようという人に向けて、「オフィシャルサイト」などからは決して入手することの出来ない「お役立ち情報」をお届けしたいと思います。

社会保険労務士試験の受験者数・合格率の推移

ここ数年、社会保険労務士試験の受験者数や合格率は、こんな感じになっています。

平成年度  受験者数    合格者数  合格率

20            47,568      4,801        7.5%

21            52,983     4,019         7.9%

22            55,445     4,790         8.6%

23            53,392     3,845         7.2%

24            51,960     3,650         7.0%

25            49,292     2,666         5.4%

26            44,546     4,156         9.3%

27            40,712     1,051         2.6%

見ればお分かりのとおり、平成27年の合格率は明らかに異常です。受検者数が減ったことへの「嫌がらせ」でもあるまいし、合格者をここまで絞りこんだ理由が不明です(笑)。おそらく、「救済措置」として、何パターンかのシミュレーションをした結果、最終パターン以外ではむしろ合格者も合格率も大幅アップになってしまうので、ここに落ち着いたんじゃないかと思います。

こんな合格率なら、誰も受けようとは考えないでしょう(笑)。平成28年は改善されるに違いありません。受験する年によって、運・不運は避けられません。私も、「1点足らず」で1年ガマンしましたので(笑)。

社会保険労務士試験は、マークシートによるテストだけで最終の合否が決まります。難易度から言って、そんなに難しい試験でもありません。マジメに1年も勉強すれば、誰もが合否のボーダーラインには到達できる内容です。

ただ、マークシートだけで最終合格者まで決定してしまうことが、予想外の運・不運につながるケースも少なくないのです。というのも、記述式・論述式であれば、明確にライバルと差別化出来るところなんですが、選択式にしろ、択一式にしろ、1点差・2点差でひしめくボーダーライン上の中から、合格者を選別しようと思えば、勉強の成果がそのままストレートに反映されにくい「キワモノ」的な問題を出題せざるを得ません。何百時間、何千時間も勉強してきた最終的な命運が、ほとんど「クジ引き」みたいに決まるケースも。こんなことが、何回も繰り返されると、さすがにモチベーションが続きません。

社会保険労務士試験の「難しさ」は、こんなところにあります。

社会保険労務士試験の難しさ、さらに

体力勝負という面もあります。午後からの「択一式」は、試験時間3時間30分もありますので(笑)。今どき、マラソンランナーでも2時間台の前半で完走しますから。例の、猫ひろしも3時間かかってなかったはず(笑)。まだ暑い8月下旬に、3時間30分(笑)。

試験監督者として見ていると、もちろん誰が合格しそうなんてことはわかりませんが、どの人は合格しないだろうなというのは、だいたいわかります。合格しそうにない人は、3時間30分の試験に絶えうる体力も気力もないんです。途中から、あきらめムードを全面に出して、集中力も途絶えてしまいます。試験問題よりも、「残り時間をどう過ごすか」という課題に取り組み始めることになります(笑)。

こーゆー人が合格出来るほどアマい試験でもないのです(笑)。

受験当時、択一式は苦手でした。はっきり言って。何問解いても、明確に「これが正解だ」といった手応えが全然ないんですから(笑)。択一と言っても、「選択肢の中で、どれが一番濃い色ですか?」といった感じの問題ばかり(笑)。

社会保険労務士試験の勉強方法

もし、あなたがこれから社会保険労務士試験の合格を目指して、勉強しようとしているのなら資格試験スクールを利用するべきです。独学は、止めておくべきです。

独学の場合、市販の参考書や問題集を利用することになります。残念ながら、市販の参考書や問題集は、販売されるまでに相当のタイムラグがあり、最新版を購入したとしても試験に関連した最新の情報が反映されているとは言えません。

しかも、今や多くの人が資格スクールで学んだ上で受験します。そこに参加していないだけでハンディキャップを負ってしまうことになります。こんなところで、ケチケチするべきではありません。さっさと合格して、早く負担した費用を取り戻せばいいだけのことです。ただ、必ずしもスクールに「通学」する必要はなく、「通信講座」で十分です。

具体的な勉強方法について考えるときには、社会保険労務士試験が「マークシート方式で実施される試験である」ということを前提にしておかなければなりません。つまり、例えばテキストに出て来る多数の専門用語について、必ずしも「正確な記憶」が必要なわけでもないし、「記述できる」程度にまで準備しておくこともないわけです。だいたいわかる状態で良いのです(笑)。

私はB6型カード、別名、京大型カードというのを利用しました。記憶すべき項目をカードのウラ・オモテにQ&A方式で書いて、答えられるようにするわけです。「記憶すべき項目」は、テキスト、問題集、講師の話など、ありとあらゆるところから集めてきました。もちろん、学習のゴールは「だいた分かるレベル」に設定し、完璧を目指さない(笑)。カードの中で、だいたい覚えたものは仕分けして、「覚えていない度」の高いものだけをいつも手元に。ま、こんな学習法でも資格スクールが実施する模擬テストでは、高得点上位入賞をはたすことができましたので(笑)。

模擬テストは、必ず受けておくべきです。必ず、です。択一試験における3時間30分の時間の使い方は、模擬テストで身につけることになります。何をどういう順番でやっていくか、この場でシミュレーションしておきます。時間の経過と終了しておくべき作業量に一応の目処をつけておくことができれば、本番であわてることはありません。

社会保険労務士試験、合格後の話

社会保険労務士の場合、開業の条件として税理士のように、「実務経験」が問われません。試験合格者の皆さんと受講する研修(というか、話を聞くだけの集まり)に参加すれば、なんと実務経験と見なしていただけますので(笑)、開業が可能となってしまうのです。

ほんの少し前まで「社会保険労務士」という資格の名前さえ知らなかったような人でも、立派な「先生」になることが出来てしまうというわけです(笑)。

社会保険労務士という資格の、こういう「ハードルの低さ」というのは、個人的に結構気に入っています。キャリアの途中で挫折しても、試験にさえ合格すれば、何とかやり直しが出来るというか(笑)。

また、税理士の場合、開業しているAさんとBさんが日日やっていることに、そんなに極端な違いはありません。が、社労士の場合は様々。バラエティに富んでいます。同じ資格なのに専門として手掛ける分野もさまざまです。労務管理にかかわる人もいれば、年金を専門にする人、同じ年金でも障害年金に特化している人もいます。中には、労災事故の専門家まで。

仕事への取組みも様々。ひたすら、運営する事務所の事業拡大を考えている人がいる一方、特定分野の専門家としてのポジションを狙いに行く人も。

儲け方も、いろいろ。社会保険労務士資格だけでそんなにもうかるんですか?と聞きたくなるくらいメッチャ稼いでいる人もあれば、せっかく開業したのに行政協力の仕事ばかりをひたすらこなして、サラリーマン・勤め人と何ら変わらない日日をおくるひとまで。

ここで、残念なお知らせをお伝えしておかなければなりません。それは、これまで社会保険労務士などの士業が顧客として想定してきた中小・零細企業の数は、人口減少の影響もあって減りつつあるのに、ライバルとなる新規の合格者、開業者はどんどん増えているという事実です。これまでの先輩開業士業の人たちがやってきたのと同じような「ビジネスモデル」では、立ち行かなくなることは明らかです。人があまりやっていないことを手がけないと。私が、こうやって「情報発信」をやっているのも、そーゆー理由からのことです(笑)。

社会保険労務士などの資格を取って独立開業することについて

ここで、特に社会保険労務士というひとつの資格にこだわらず、広く資格全般に視野を広げて、「資格を取って独立開業すること」について考えてみます。

まず、一般論として「資格を取って独立開業」という選択は、評判が良くないです(笑)。「資格でメシは食えない」に始まって、「集客さえ出来れば、どんなビジネスをやっても同じだ」さらに「資格を取るヒマ(時間)とカネがあるなら、他のことをやった方がマシだ」といったものまで。いろんなことが言われています。

こういった外野の声についての感想としては、「当たっていない」とは言えないというのが正直なところです(笑)。が、こういう「声」の主は、内部のことを十分に知らなかったり、自身も資格を目指したことはあるが、結局は目標を達成出来なかった人が少なくないようです。

というのも、資格所有者コミュニティ(?)内部で、こういうことを言っている人にお目にかかったことがないものですから(笑)。ま、資格により事情は異なるのかもしれませんが。

やっぱり、資格を取ることの醍醐味は「資格を持っていないと、やれない仕事」「やってはいけない仕事」が出来てしまうこと、これにつきます。部外者は、立ち入り禁止となっておりますので(笑)。

例えばの話。社会保険労務士の資格を持っていれば(もちろん、開業していることが前提になりますが)、年金額が少ないと嘆く老人の代理人となって、過去の記録(もちろん個人情報)を調べて納得のいく説明をしてあげる。その代価として、相談料を頂いてしまう、なんてことが出来てしまうわけです。これならほぼ「雑談がビジネスになる」といった感じ(笑)。

資格が参入障壁となるようなビジネスを見つけて、磨きをかける。これが、資格ビジネスの醍醐味NO.1です。

また、情報発信を手がける時に、少なくとも資格がカバーする分野においては、「それなりの専門家」として見てもらえるというのも大きなメリットです。もちろん、資格を持っていても「いい加減な発信」をしているヤツもいるわけですが(笑)。

グーグルも専門家によって発信された情報は、検索結果において上位表示すると宣言していますので。どうやって、専門家が発した情報かどうか見極めているのか、イマイチよくわからないのですが(笑)。

怠けることなく、情報を出し続けていれば、思いがけない仕事が転がり込んできたりします。なんとか、資格試験に合格出来ましたというレベルでは、難しいかもしれませんが(笑)。少なくとも、専門家として発信するために必要かつ十分なコンテンツは用意出来しておかないと。

こちらがNO.2。とはいえ、「情報発信を続ける専門家」は少数です。そんなに、メリットを感じないのか?メンドーなこと、やってられないということなのか?

以上、参入障壁と情報発信をキーワードにまとめてみました。どうです?あなたも目指してみては?資格ビジネス。年取っも続けられます。特に、情報発信は、「寝たきり」になっても可能です。

 

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