老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

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所得代替率ではなく、リタイア後の家計カバー率で考えたときの公的年金は、どのくらい機能するのか?

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病院で観るNHK年金特集

NHK朝の情報バラエティ番組。

先日のテーマは、「公的年金」。

病院の待合室

もちろん、いつもは観てません。かかりつけの病院の待合で、たまたま観てしまうことに。

ずいぶんと、細かなことまで解説してました。今時、はたしてこんな知識に、一般視聴者のニーズがあるんかいな?という仕上がりとなっていました(笑)。

そこは、NHK。視聴率を気にしなくて良いものだから、とかく「世間」からはズレています。

今、年金を語るとき必要不可欠なメッセージ

今、公的年金をテーマに番組をつくるなら、まずは「公的年金だけで暮らしていけませんよ」というミもフタもない現実を伝えてあげないと(笑)。

で、次に、お知らせすべきは、リタイア後の家計と年金給付額の関係について。つまり、毎月の各家計支出において、年金が、どのくらいまで賄ってくれるのかという問題。

もちろん、そんなことは家庭によりけりということに決まっていますが、一応、目安は持っておかないと。

ここを甘く見積もっている人が少なくないみたいです。

ま、年金だけじゃ足りないと言っても、そんなには極端なことにはならないんじゃないの、といった具合に。

家計カバー率

今の年金生活者家計で、公的年金の「家計カバー率」は、だいたい70~80%くらい。以前の記事に書きました。

もちろん、足りない分は何かで穴埋めしなくてはなりません。預金を取り崩しするか、働いて得た給料を充当するか。

言うまでもなく、年金の「家計カバー率」は、毎年、どんどん下がっています。

「家計カバー率」というゴドバは、私が勝手につくった造語です。

所得代替率

政府が用いる似たようなゴドバに「所得代替率」というのがあります。こちらは平均賃金との比較で、しかも年金額が夫婦2人分。奥さんは「40年間、専業主婦」が前提。つまり、3号被保険者として生涯1円の保険料も納めていないことになっています。

なぜ、こんな条件にしているかと言えば、所得代替率そのもの、ならびに、支払保険料VS受取年金額のパフォーマンスを良く見せたい意向があるわけです。

家計の未来予測には、何の役にも立ちません。

今、政府は、この「所得代替率」を50%にまで下げ、その後、来世紀まで維持すると公表しています。(ちなみに、この「下げる」ためのツールが、マクロ経済スライドです。)

が、そんなことはムリに決まっているだろうことは誰でも予想できることなんですが、とある研究者は、シミュレーションの結果、「所得代替率は20%くらいにまでなる」と予測しています。

盛山和夫『年金問題の正しい考え方』中公新書

で、このときの「家計カバー率」も50%を大きく割り込んでくることになります。

リタイア後の家計で、ザックリ言って公的年金は、このくらいの「役割」しか果たしてくれなくなります。

ついこのあいだまで、ほとんどの人が「カバー率=100%」だったことを思えば、まさに様変わり。

だからと言って、「家計カバー率がゼロパーセントになってしまう=制度がハタンする」というのもウソ話です。

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