老後のおカネ

公的年金から、借金問題まで。

Read Article

ねんきん定期便の見方・考え方

SPONSORED LINK

ラクラク年金生活?

たまたま入手した1冊。

横山光昭『ラクラク年金生活』ディスカヴァー21

実にタイトルが秀逸。

というのも、私に、年金生活なるものに、そもそも「ラクラク」という形容が可能だというコンセプトが存在しないものだから(笑)。

結果、タイトルに「引き寄せ」られて一気に通読。

読み終えて、二度ビックリ(笑)。

著者の言う「年金生活」とは、要するに「ねんきん定期便」のみ(笑)。

他に、何の言及もナシ。

ちょっと待っていただきたい(笑)。

じゃ、ねんきん定期便のデータって、そんなに信用出来るものなんでしょうか?

そういう考察は一切出て来ない(笑)。

あのね。

年金問題が、こんなにカンタンに語れるんなら、誰も苦労しませんって(笑)。

かといって、私はここで、「年金制度なんて、そのうちハタンするさ」的な年金ダメダメ論を展開しようというのでもありません。ここは、細かな分析が必要です。

ねんきん定期便を分析する

公的年金には、基礎年金部分(国民年金部分)と厚生年金部分があります。すでに共済年金は、事実上ハタンして厚生年金と統合されていますので、この二つを考えておけば十分です。

プリント

まずは、基礎年金部分

基礎年金部分は保険料と受給額が、ともに定額。ですから、将来、国民年金しか受給しない人は、わざわざ定期便なんか見なくても、年金額や生涯収支はカンタンにわかります。

ここで、基礎年金(国民年金)を単体で見たとき、投資額とリターンのパフォーマンスはそんなに悪くありません。

というのも、支給額の半分に税金が投入されているからで、当然といえば当然の話。

年金は死ぬまでもらえますから、生涯の損得勘定は、あと「いつ死ぬか」だけの話。

以上のパターンに当てはまるのが、

  • 生涯、会社をつくることのなかった自営業者
  • 生涯にわたる専業主婦
  • そして、生涯にわたり給料が安かった人もここに入ります。厚生年金と関わる部分が限定的ですから。

次に、厚生年金部分

厚生年金の支給額を決めるのは、

現役世代で、サラリーマンとして働く人の給料総額

  • 社会保険料の料率
  • 年金積立金の運用益
  • 年金を受け取る人の総人数
  • 年金を受け取る人の現役時代の保険料支払い実績

つまり、変数は五つあって、あらかじめ確定しているものは、ひとつもありません。

ちなみに、厚生年金支給の仕組みは、原則的に、現役世代から原資を集めてきて、年寄りに対して山分けする。その時の配分割合は、「現役時代の保険料支払い実績」によるものとお考え下さい。

厚生年金に関しては、すべてが「予測」にすぎません。国民年金と大きく異なります。

これらの変数の計算ベースは、「例」の政府発表による「生涯収支予測」と同じです。

そう。「ありえない」数字のオンパレードでした(笑)。

参照記事

これから、公的年金は老後資金としてアテにできなくなりますか?前編

これから、公的年金は老後資金としてアテにできなくなりますか?後編

といった具合になっています。

こういう仕組みになっていることを前提にすれば、厚生年金保険料の割合が多い人、つまり、現役時代の給料が多かった人ほど、ねんきん定期便で確認出来る「年金受給額の予想額」との差が大きくなると予測出来ます。

現行年金制度は、平成16年に設計されたものです。が、当初の予定では「年金積立金には数十年間、一切、手はつけないこと」となっていましたが、いつの間にか、大盤振る舞いされています(笑)。(GPIFによる運用損とは、別の話)

わずか10年ほどで、このくらいの変わり様だということです。

 

つまり、現役時代に給料が多かった人ほど、ねんきん定期便はアテにならない。一方、ねんきん定期便で正確な予想が出来てしまう人には、アテになるほどの年金がもらえないという残念な状態になっています(笑)。

Return Top